- 2018年11月14日(水)
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「楓林如火」(ふうりんじょか)
満山紅葉で火の海に踏み込んだような「楓林如火」を、前回の「玉露生寒」の項で紹介しましたが、種々の特徴があって四大賞楓地だけでは言い尽くせないようです。
たとえば江西省石城村では特色の黒瓦白壁の家々の上に高さ35mもある古楓の樹林が連なってあたかも一幅の長尺古画を見るようだといいますし、吉林市長白山の紅葉谷では延々100kmの紅葉や黄葉でさながら画巻のようだといいますし、浙江省温州市には元明時代から修復して村々をつなぐ70余条の紅楓古道が保存されています。そしてアジアで最も美しい紅葉観賞地というのが四川省米亜羅。中国最大の紅葉風景区で北京香山の180倍、品種も多く色彩も層をなして広がっているといいます。
フランスに「楓丹白露」(朱自清『欧游雑記』から)という優雅な漢訳地名で呼ばれる宮殿があります。パリにある「フォンテンブロー」です。2015年3月に、楓丹白露宮中国館から清朝末に北京の圓明園から流失した展示品が盗まれて話題になりました。