東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年04月24日(水)
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「過門不入」(かもんふにゅう)

「門を過ぎて入らず」(『孟子「離婁下」』から)は、私事を忘れ公務第一にすごした禹の事跡に因む四字熟語です。家の前を三度通り過ぎたのに入らなかったという禹の「過門不入」は八年(『孟子「滕文公上」』から)とも一三年(『史記「夏本紀」』から)ともいわれます。ひたすら治水・利水のため各地をあまねく歩きまわり、「会稽で崩じた」とされ紹興市にはりっぱな禹廟が設けられています。そうして国づくりに専念した禹を讃えることばが「平成」の年号の原典とされる「地平天成」(『書経「大禹謨」』から)です。

「平成」の明仁天皇は平和を祈る「慰霊の旅」をひたすらつづけ、沖縄、広島、長崎はじめ、サイパン、パラオ、フィリピンまで足を運ばれました。8月15日「全国戦没者追悼式」には「戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し心からの追悼の意」を表しつづけられ、最後の「誕生日会見」には「平成が戦争のない時代として終わろうとしている」ことに安堵されています。「平成」の平は平和の「平」そして「令和」の和は平和の「和」です。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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