- 2020年09月23日(水)
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「民不堪命」(みんふたんめい)
「民」のつく四字熟語であってほしいのは「民安国泰」でしょうか。戦争がなく「戴白の老も干戈を睹(み)ず」という長い平和を保ってきたこの国に、突如、戦禍ではなく菌禍が襲来して、「安土楽業」が危うい日々がなお長くつづく気配です。
コロナ襲来で国民は49日間の緊急事態の自粛に堪えぬいて「第一波」の収束に勝利したと思いきや、「with コロナ」という持久戦となり、とくに都民は「痛みに堪える」日々をつづけています。政府はコロナ対策と経済の「両面構想」を示せないまま、感染の結果を個人に負わせるGoToキャンペーン政策を強行しました。立ち寄り先でだれかがその結果を負うことになり、原因は移動した都民ということになります。
民衆が為政者の負担に堪えられず暮らしていけない「民不堪命」(『春秋左氏伝「桓公二年」』など)がわが身に起こっているのです。入場制限をやめた球場に子どもたちの笑顔と歓声がもどりましたが、束の間の解放感でなければいいのですが。