東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2014年06月25日(水)
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「刻舟求剣」(こくしゅうきゅうけん)

 日本の家電量販店のヤマダ電気が南京店のあと天津店も閉鎖して撤退したことに、「刻舟求剣」(『呂氏春秋「察今」』から)がいわれました。日本で成功した経営をそのまま持ち込んで中国で利益を得ようして失敗したことへの辛辣な評といえます。

「刻舟求剣」は小学生が学んで大笑いする愚かな楚の人に関する寓話です。ある楚の人が渡江の途中で誤って剣を水中に落としてしまいます。その人は急いで剣が沈んだ位置で舟に刻みをいれました。そして舟が止まったところでその刻みの位置の水中に潜って剣を探したというのです。

この楚人の「刻舟求剣」には、の人の「杞人憂天」や宋の農民の「抜苗助長」と似た愚かな行為への侮蔑の響きがあります。今も一部の投資家がそういわれます。時代の変化も理解できずに、うまくいった投資の記憶を胸に刻んで、もはや得られない利を追っているからだというのです。利に対する酷評は願望の裏返しのようです。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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