東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「弦外之音」(げんがいしいん)

 春秋時代に琴の名手に伯牙がいました。鐘子期は傍らでその音の趣のあるところ「弦外之音」(袁枚『随園詩話「第八巻」』など)をしっかりと聴き窮めたといいます。「あなたの聴くところわが心のごとし」として伯牙は認め、鐘子期の死後はわが音を知る者なしとして「破琴絶弦」(『呂氏春秋「本味」』から)したといいます。

聴衆の質の高さが名演奏を引き出す要件であることは確かなことで、音楽の表現力には極まりがないようです。「言外之意」を察するのもむずかしいですが、「弦外之音」や「甘余之味」となるともっと微妙な領域のようです。

 中国でのロングセラー『傅雷家書』の翻訳が「君よ弦外の音を聴け〜ピアニストの息子に宛てた父の手紙」として出ています。ロマン・ローランなどの翻訳家であった傅雷と夫人(1966年文革時に服毒自殺)が、息子の傅聡と傅敏に宛てた書簡集で、父親の息子たちへの呕心瀝血」の愛が深く込められて響いています。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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