東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「有征無戦」 (ゆうせいむせん)

 戦場へ兵を送っても、犠牲者がでるような作戦をおこなわないことが「有征無戦」(征有れど戦うことなし。『漢書「厳助伝」』など)です。大義によって立つ討伐であれば、戦闘をおこなわなくとも制圧して勝利を得ることができるというのです。

殷の紂王の軍が「前徒倒戈」(前面の兵が武器を逆に倒す)して周の同盟軍に降った有名な「牧野」の戦いは「不戦にして勝つ」(不戦而勝)ことができた一例です。皇帝は臣下から上書を受けて「有征無戦」を旨として正義の兵を送るのですが、戦わずして勝つには、兵士もまた和平を願う「有志之士」でなければならないでしょう。

平和主義の「憲法」を持つ国からの軍隊として送られ、イラクの“戦場”で一兵も損うことなく任務を遂行した「日本の自衛隊」。その稀有な国際的イメージを変容させる「閣議決定」がなされました。和平への手段を語らず、戦場協力による抑止力をいう総理の内閣の決定は、国民にも国際的にも容れるところとはならないでしょう。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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