東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「一字一泪」(いちじいちれい)

 漢字はその成り立ちからいって、一字がそれぞれの意味をもつことから、文中のひとつの文字に感極まってなみだするという「一字一泪」(李贄『焚書「書答」』など)には実感があります。「一言一泪」なら日本語の詩文にもありうるでしょう。
 また文章が一字の増減も許さないほど達意で、一字に千金の値打ちがあることを誇示する「一字千金」もあります。秦の呂不韋は『呂氏春秋』を撰して都の咸陽の市門に掲げた時おおいに誇りとし、一字でも増減しうる者があれば千金を与えると豪語しました。「一字千鈞」のほうは重さ(「一言九鼎」は前出)ではなく、魂を揺するほどの詩品の高さをいいます。
 また「一字一珠」はすばらしい詩文や歌声の円潤なことにいい、「一字見心」は書き手の思いは一字に読みとることができることにいいます。一字が「千金」「千鈞」「一珠」「見心」「一泪」とくれば、やはり「一字」は「一泪」に極まります。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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