東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「一葉知秋」(いちようちしゅう)

  秋が深まるとこの四字熟語を思います。ひとひらの落葉をみて静かにすすむ秋の深まりを知ることを「一葉知秋」(魏慶之『詩人玉屑』など)といいます。有名なのは唐人の詩としての「一葉落ちて天下の秋を知る」で、微細な事象から大勢や結末を感知することに例えられます。片々重なって金黄色のじゅうたんになったイチョウの樹下のようすも「一葉知秋」で、こちらは風に舞い車に舞い、子どもたちが戯れる晩秋の明るい情景です。
 一葉には「一葉蔽目」があって、一枚で視界を蔽ってしまうことから、「一葉目を蔽いて、泰山を見ず」となり、局部や少時の現象に惑わされ全局や本質を見誤ることにいいます。
 樋口一葉(本名奈津)の「一葉」(別説あり)は、長江を「葦一葉」に乗ってわたった達磨が、「面壁九年」の修行で「おあし(足)」の用をなくしたいわれから。おかねに縁のなかった自分に重ねた一葉が、ひとひらの五千円札になった感想を知りたいところです。
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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