東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2015年04月08日(水)
  • 自然

「半晴半陰」(はんせいはんいん)

 春になって桜が咲きだすころ、薄曇りの空模様から晴れるのかあるいは小雨になるのか定まらない天候を「半晴半陰」(劉禹錫「洛中早春」など)といいます。繊細な桜の花は烈しい風や冷たい雨は苦手ですが、このあいまいでぼんやりしていて、暖かく湿りのある天気が好きで、花の命を長らえるようです。江戸時代の「季寄せ」にも「半晴半陰これを花曇といふ、養花天はこれに同じ」とあります。

「半陰半晴」もあって、薄曇りから日差しが戻る気配。永井荷風はこの成語が好きだったようで、『断腸亭日乗』によく出てきます。戦中の昭和二十年「四月初八 日曜日。半陰半晴。隣人より食麺麭(食パン)を買ふ。一斤六圓」、戦後の昭和二十二年「五月十四日は半陰半晴。帰途八百屋にて覆盆子(いちご)を買ふ。一箱四十粒にて金四拾圓なり」とあります。また景気の動向が、ある業種が上向きで、ある業種が低迷している模様見のときにも用いられます。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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