東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2015年08月26日(水)
  • 動物

「呉牛喘月」(ごぎゅうぜんげつ)

 中国の「四大火爐(かまど)都市」のトップ重慶市のことは「七月流火」で取り上げましたが、いま流行っている消暑法に「水上痲雀」があります。中国では麻雀はスポーツのひとつですから、みんな熱中してやっています。水流の岸辺に青と白のまだらの傘を立てて、その下で足元を冷やしながら痲雀を打つ。水流に沿って延々とつづく傘の列は奇観であり涼しげです。しかし勝負で熱くなって涼はとれないでしょう。

呉は長江の下流(杭州も四大火爐のひとつ)に当たります。「江浙熟すれば天下足る」といわれたように、長江下流域は米どころ。農作業に牛は欠かせません。炎熱に苦しむのは人間ばかりではありません。炎熱のもと日中いっぱい酷使されて終えて帰る道で、東から満月が上ってくる。牛の目に月は太陽と映ります。そこで「呉牛喘月」(劉義慶『世説新語「言語」』など)ということになります。牛の喘ぎは同時に農民の喘ぎ。それでも表向きの意味合いは度をこえておびえるといったところです。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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