東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「急中生智」(きゅうちゅうせいち)

 平常時には思いつかなかったのに、緊急時にそれを乗り切る方策や名案が思い浮かぶことを「急中生智」(『三侠五義「二三回」』など)といいます。この典故の「急中生智」は、きこりが木にのぼって仕事をしていたところ、子どもをくわえたトラが木の下を通りかかります。そこできこりは手にしていた斧を、トラの頭をねらって投げます。斧はトラの背にうまく刺さって子どもを助けるシーンで使われています。トラとの遭遇は現代の吉林省でも「急中生智」の例を残しています。牛を探して山に入った老人が寝ていたトラに遭遇します。老人はとっさにこん棒で樹を叩きながら咆哮したところ、トラは林に逃げ込んでしまったというのです。
 
中国市場に参入した日本企業のなかには、経済の下降状況を迎えて苦闘しているところもあります。が、日本でライバル社との競合で鍛えた「急中生智」の経験をいかして、実情に見合った製品やサービスを案出して乗り切るだろうと推測されています。




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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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