- 2015年09月09日(水)
- しごと・社会
「急中生智」(きゅうちゅうせいち)
平常時には思いつかなかったのに、緊急時にそれを乗り切る方策や名案が思い浮かぶことを「急中生智」(『三侠五義「二三回」』など)といいます。この典故の「急中生智」は、きこりが木にのぼって仕事をしていたところ、子どもをくわえたトラが木の下を通りかかります。そこできこりは手にしていた斧を、トラの頭をねらって投げます。斧はトラの背にうまく刺さって子どもを助けるシーンで使われています。トラとの遭遇は現代の吉林省でも「急中生智」の例を残しています。牛を探して山に入った老人が寝ていたトラに遭遇します。老人はとっさにこん棒で樹を叩きながら咆哮したところ、トラは林に逃げ込んでしまったというのです。
中国市場に参入した日本企業のなかには、経済の下降状況を迎えて苦闘しているところもあります。が、日本でライバル社との競合で鍛えた「急中生智」の経験をいかして、実情に見合った製品やサービスを案出して乗り切るだろうと推測されています。