東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「虚位以待」(きょいいたい)

「虚位」は、地位などを空席にすること。賢人を得て充てるために席を空けて待つというのが「虚位以待」(『欧陽文忠公集「奏議集一五」』など)です。これからしごとに関わる新しい任地で、「虚位以待」と紹介されるのは何よりの光栄でしょう。そうして招かれれば、だれでも力を尽くして任に当たるはずです。

企業が人材を求めるために、いまでは「一起工作」(いっしょにしごとを)くらいの軽い呼びかけで求人のキャッチにも使われています。夏場の「虚位以待」といえば、企業が英才を求めて開く高校卒業生への就職説明会もあります。各企業は条件を提示して企業説明を行ないますが、最近は競って高い賃金をアピールしています。

また「虚左以待」(張籍「贈殷山人」など)というのは、左右どちらが上座かは時代によって異なるようですが、車騎の場合に左側を上坐としたことから高位の席を空けて待つことになります。傍らにどうぞという親しさを伝えて。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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