- 2015年09月23日(水)
- しごと・社会
「虚位以待」(きょいいたい)
「虚位」は、地位などを空席にすること。賢人を得て充てるために席を空けて待つというのが「虚位以待」(『欧陽文忠公集「奏議集一五」』など)です。これからしごとに関わる新しい任地で、「虚位以待」と紹介されるのは何よりの光栄でしょう。そうして招かれれば、だれでも力を尽くして任に当たるはずです。
企業が人材を求めるために、いまでは「一起工作」(いっしょにしごとを)くらいの軽い呼びかけで求人のキャッチにも使われています。夏場の「虚位以待」といえば、企業が英才を求めて開く高校卒業生への就職説明会もあります。各企業は条件を提示して企業説明を行ないますが、最近は競って高い賃金をアピールしています。
また「虚左以待」(張籍「贈殷山人」など)というのは、左右どちらが上座かは時代によって異なるようですが、車騎の場合に左側を上坐としたことから高位の席を空けて待つことになります。傍らにどうぞという親しさを伝えて。