東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「満載而帰」(まんさいじき)

 行く先で大きな収穫を得て帰ることを「満載而帰」(巴金『随想録「一八」』など)といいます。作家巴金はフランスへ行ってそういう経験をしたようです。国を代表して行く外交交渉や国際会議なら参加だけして「空手而帰」ではすまないでしょう。「満載而帰」は旅先でのお土産の多いことや留学が実り多いことを祈って使います。

大成を期待されて故郷を出て、中央での栄達を果たして「錦を衣て郷へ還る」(衣錦還郷)はよく知られていますが、志を得ずしてひっそり帰る「白首空帰」の人もまた多くいるのです。ほどほどなのに「空手」や「白首」はいささかきつすぎますが。

 湖北料理に桂魚を使った「満載而帰」という伝統料理があるようです。桂魚の頭と尾を残して背骨を抜いて元宝(馬蹄形の金銀貨幣)に見立てて舟形にし、豚肉や卵やキノコほかの多彩な具を満載して供するもの。宋代の蘇軾は東玻肉で有名ですが、湖北出身の米芾はこの「満載而帰」で張り合ったと伝えられています。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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