東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「能者多労」(のうしゃたろう)

 今年もご多用に過ぎたみなさま、お疲れさまでした。才能や技能に優れた人びとつまり能ある者ほど労苦が多いということを「能者多労」(『紅楼夢「一五回」』など)といいます。荘子も「巧者は労にして知者は憂、無能者は求める所なく飽食して敖遊」(『荘子「列禦寇篇」』から)と述べており、巧者や知者であることは多労を覚悟せねばならないようですが、実のところは本当に能ある人は「多労」とは感じていないから労多いことを悩みとはしていないのでしょう。中国の指導層にこのことばを多用してしごとを避ける風潮があることが指摘されています。

磨きあげられた鏡はいつ映しても何度映しても“疲れ”を見せることはないというのが「明鏡不疲」(劉義慶『世説新語「言語」』など)です。磨かれた叡知・技術というものは使っても損なわれることはないのだから、優れた師や先輩はどしどし使おうではないかというのが後人の立場からの理解です。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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