東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「立雪断臂」(りつせつだんぴ)

 雪と炭の対比が明解な「雪中送炭」に対してこの「紅雪」の伝承も色あざやかです。拳法のふるさと、禅宗の祖庭といわれる中岳嵩山の少林寺でのこと。降り積もる雪の中で師の菩提達磨から示された「天降紅雪」という問いに、神光(のち慧可)は、みずからの臂を断つという答えを引き出しました。「求法の志」の強く固い姿を答えとして示すことで、のち達磨から衣鉢を相伝されることになったという慧可の「立雪断臂」に関する伝承です。「慧可断臂」ともいいます。

雪中で断ったのが右臂だったのか左臂だったのか。雪舟の「慧可断臂図」は達磨に左腕を差し出していますし、後世の絵画は左臂を断つ姿を伝えますが、法のため師に献じたとすれば右臂だったかもしれません。『菩提達摩伝記』(呉洪激)では神光は跪いて左手で右の断臂をささげる姿を記し、少林寺の塑像は右腕を衣に隠して左手を見せているからです。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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