東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「不恥下問」(ふちかもん)

 後輩や目下の者に対しても問うことを恥としないことを「不恥下問」(『論語「公冶長」』から)といいます。とくに学者の中には下問を恥とする向きもあってできないことのようです。『論語』では弟子の子貢が、孔圉(こうぎょ)という人物が諡(おくりな)として最上である「文」の字を得て孔文子と呼ばれていることを疑問にして、あの程度の人物になぜ「文」が許されるのかと問うたところ、孔子の答えは「敏にして学を好み、下問を恥じず」というものでした。学問の問のありようの基本にかかわる「下問を恥じず」を評価したことばです。ちなみに唐の「文公」は韓愈ですし、宋の「文正公」は司馬光、「文忠公」は欧陽修や蘇軾です。
 和食が世界遺産に登録されたのにあやかって制作された『武士の献立』で、加賀藩に仕えた庖丁侍の舟木伝内(西田敏行)が息子の嫁(上戸彩)から料理を学ぶ場面の「不恥下問」ぶりの演技には文の味がありました。
 
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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