東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「寸步不離」(すんぽふり)

「寸歩」はきわめて短い距離。梁の仁掘惱勸杁』では陸東美と朱氏という仲睦まじいご夫婦がおり、とくに奥方が際立っていたようすを異として時の人が「比肩の人」と呼んだことを「寸歩不離」としています。現在ならお互いに輝きながらも「寸歩不離」のご夫妻は少なくないでしょうが。朱氏が亡くなると夫も後を追って亡くなったので合葬したところ、塚の上に梓の木が生えて二つの幹が抱き合うように一樹をなしました。それを聞いた孫権が憐れんで、その里を「比肩」とし、その墓所を「双梓」と呼ぶことにしたといいます。ご夫妻の例のほかに両人の感情がぴったり合っているようすや両者の距離の遠くないことにも広く用いられています。「半歩不離」ともいいます。
 90歳の母親が50歳を過ぎた病弱の息子をかいがいしく扱う姿や、結婚して30余年の間寝たきりの妻に寄り添ってきた夫の姿など、胸にこたえる事例も見受けられます。人の間ばかりでなく愛犬や愛猫との間の「寸歩不離」の話題も尽きません。
 
webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>