東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2016年10月12日(水)
  • 動物

「狡兎三窟」(こうとさんくつ)

 前回にひきつづいて、強者の多い原野で、とくに闘う武器になるような器官をもたない「平和主義者」である兎の生き方について。
 ずるがしこい兎は三つの隠れ場所を持っているというのが「狡兎三窟」(『戦国策「斉策」』から)です。ずるがしこいといわれようと、難を逃がれて生きていく道は、危機察知能力とすばしっこい逃げ足と三つの隠れ場所を持っていることにあるというのです。三つの隠れ場所の真ん中にいて、外敵の迫るのをいち早く察知して逃げ込みます。「二兎を追うもの」は六窟を相手にするのですから、一兎をも得られない結果になってもいたし方がないでしょう。
 戦国時代斉の孟嘗君の食客のひとり馮諼(ふうけん)は、「狡兎三窟ありてわずかにその死を免るるのみ」といって、
兎のように他の二窟を用意するよう勧めています。いまなら企業や個人が税逃れのためにする資金の海外隠しも「狡兎三窟」の類です。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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