東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2016年10月19日(水)
  • 動物

「蚕食鯨呑」(さんしょくげいどん)

 クジラが大きな口でガブリとひと呑みする「鯨呑」のような形の侵略がある一方に、カイコが小さな口で桑の葉を少しずつ食べる「蚕食」のような侵略もあるということ。カイコの一口は小さくともいつしか桑の葉は筋だけになるということで、「鯨呑」と「蚕食」とは異なった侵略の形をいいます。
 韓非子は「蚕食」(『韓非子「存韓」』から)という形で秦の侵攻について述べ、「鯨呑」の勢いによる一気の席捲(『晋書「慕容暐載記論」』など)はのちになると現われます。二者を連ねて「蚕食鯨呑」というのは清朝になってイギリスの手法に対して呼ぶようになり、孫文は「興中会宣言」の中で祖国の「蚕食鯨呑」の危機を指摘しています。いまでもたとえばトルコは、歴史的な経緯としてロシアによる「鯨呑」を警戒していますし、一方でIS(イスラム国)による「蚕食」という侵略とも応戦していますから「蚕食鯨呑」の国難のただ中にあるといえます。
 
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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