東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「無翼而飛」(むよくじひ)

 言論や消息とくに名声や不満の声がたいへんに速く伝わること、あるいは物が突然になくなることを「無翼而飛」(『淮南子「説山訓」』など)または「不翼而飛」といいます。飛ぶ鳥がもっとも速い伝達の例とされていたころに、翼が無くてもそれを越える速さで飛ぶのは人間の「声」(管子)であるということです。秦の王稽が兵を率いて趙を攻めたが攻め切れない。兵士を奨励し鼓舞しない王稽に不満の声は「無翼而飛(『戦国策「秦策」』から)で伝わりますよと忠告されている。
 また、物が突然になくなってしまうことには今も「不翼而飛」として使われます。とくに大金が紛失や盗難にあったり、あるいはカードから奪われたりする事例が多いのでよく使われます。おカネ以外にも、金のくびかざりや廟内の仏像の頭や骨壺までが「不翼而飛」にあうという世相を伝えています。
「不翼而飛」のタイトルで梁静茹が男と女の愛情の曲折を歌っています。
 
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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