東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2016年11月09日(水)
  • 鉱物

「十年一剣」(じゅうねんいっけん)

「十年一剣を磨く」というのは唐の賈島の詩「剣客」の首句です。こつこつと労苦して十年をかけて磨きあげた一剣。その「霜のような刃」をもつ名剣を、「未だかつて試みず」、試みる相手も機会もなかったと剣客はいい、モノの「品格」が理解されず、ヒトの「品性」が衰えていく時代をみています。賈島は三十年も都にいて科挙に何度も失敗し、ひとたびは出家しています。この「剣客」は僧籍にあったときの慷慨の詩です。賈島は「一字之師」(2016727)で、韓愈に自詩の「推敲」をしてもらった故事で登場しています。
 同じ十年でも「十年窓下」や「十載寒窓」というのは、長いあいだ人に知られず学問にはげむこと。無名でひたすら勉学に努めて、「科挙」に合格すると一挙に名が天下に知れ渡ることになります。冬の窓辺で降り積もる雪を眺めては年月をかさねて、髪が白くなるのを見た人、志を得ずして故郷へ帰った(白首空帰)人も数知れません。
 現代中国では、長年かけた製品の優秀さを訴える広告に多く用いられています。
 
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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