東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2016年11月23日(水)
  • 鉱物

「象箸玉杯」(ぞうちょぎょくはい)

 象牙の箸と玉製の杯が並べば、およそどんな食事がはじまるかの想像がつきます。箕子は紂王が象牙の箸をつくったときに天下の禍を怖れたといいます。この「象箸玉杯」(『韓非子「喩老」』から)という成語の主は「酒池肉林」や「長夜之飲」と同じ紂王です。ご存知のように紂王は人がなしうる限りの悪逆をつくした王として知られ、諫めた箕子は狂をよそおって命を永らえたといいます。「玉杯象箸」といわないのは、象箸を使えば犀玉の杯を求めて「象箸玉杯」となるからで、そうなれば料理も牛象豹の肉となり、錦衣を着、高台にのぼり・・。

 箕子が象箸を見て怖れたのは、のちの天下の禍を見たからで、それから5年で「酒池肉林」の末に亡国を迎えています。始めの小事を見て終わりの大局を知る箕子のこのことばに、韓非子は老子の「小を見るを明」(『老子「五二章」』から)を引いています。

もちろん奢侈によって滅びたのは、ひとり紂王ばかりではありません。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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