東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年02月15日(水)
  • 鉱物

「石破天驚」(せきはてんきょう)

 唐代の鬼才李賀が詩的感性の冴えを示して、石を破って天を驚かせるという「石破天驚」(李賀「李慿箜篌引」から)という表現を用いたのは、李慿が奏する外来の弦楽器箜篌(くご)から撥き出された音色が、かつてだれによっても表出されなかった新奇で意想外な情域に達していたからでしょう。伝説の女媧が五色の石を練って天を補修した、その補石を破って溢れ出して天を驚かせたというこの四字成語は、詩文や演奏ばかりでなく、世の中を震撼させるほどの内容をもつさまざまな事象で用いられています。
 たとえば、岩を掘削して彫り出した雲崗や龍門石窟の仏像群は「石破天驚」の文化遺産ですし、逆に石づくりの摩天楼もそうでしょうし、一転してスイス製の時計や日本製のカメラ・レンズといった精密機械にもいわれますし、サッカーで敵の固いディフェンスの壁を破って矢のようにゴールに飛び込んだキックなどにもいわれます。女媧の補天にちなんで客家の人びとは農暦1月20日を「天穿日」として祝っています。 
 
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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