東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「想入非非」(そうにゅうひひ)

 実際にある姿を離れて実現ができないことを想像することを「想入非非」(『官場現形記「四七」』など)といいます。もとは仏教が説く世界観で、通常の能力では到達できない玄妙な境地(天上界)のうちの最上位の天を「非想非非想天」(有頂天)といいます。座禅瞑想で到達できる境地では次はもう涅槃(入滅)であるというほどにつきつめた世界なのです。わたくしたちは、いささか気軽に有頂天になったりしているようです。
 企業家イーロン・マスクが熱っぽく語るロケットやソーラーシティの野心的なプロジェクトは、まさに近未来の「想入非非」の世界といえるでしょう。
 日本女性の和服姿は、民族衣装のなかで男性にとって女性の魅力をもっとも「想入非非」させる衣装といわれます。中国服の旗袍(チーパオ)もそうですが、北方系狩猟民族の衣装は活動的だからでしょう。美女を前にしての「想入非非」ということになれば、男性は想像をたくましくして仏教が説く有頂天とは別の世界に遊ぶことになります。

 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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