東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年05月03日(水)
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「天上人間」(てんじょうじんかん)

「流水落花、春去りゆきぬ、天上人間」(「浪淘沙令」から)と、宋の汴京(いまの開封)に囚われの身となっていた南唐の後主李(りいく)は、生きて再び会うことのかなわない故地の人びとや風物への思いを、行く春を前にして詠っています。「別るるときは容易に、まみゆるときは難し」といかんともしがたい永別の悲しみを見据えています。 
 また安禄山軍に追われて蜀に落ちのびて行く途中で、玄宗によって死を賜った楊貴妃は、「天上人間、相見ゆるをえん」(白居易「長恨歌」から)と、永別のときに際して、けっして通じることのできないはずの「天上人間」での再会を約して命絶えます。
 天上と人間、この隔絶したふたつの世界をつなぐことはむずかしい。そんなつきつめた別離の情を伝えてきた成語の意味を崩壊させてしまっているのが、逢いがたい人に逢える場として北京や上海にできた「天上人間」という高級ナイトクラブです。ひととき傍らにいるだけで5000元という名妓まで現われて。
 
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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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