- 2013年01月30日(水)
- 動物
「画龍点睛」(がりょうてんせい)
金陵(いま南京)の安楽寺の障壁に四龍を画いたとき、張僧繇(ちょうそうよう・南朝梁の画家)は睛(ひとみ)を入れませんでした。「点睛即飛去」が理由です。人をたぶらかすな、睛を入れろと急かされて、墨を落とすことにします。二龍まで睛を点じたところで、二龍は雷電とともに壁を破って飛び去り、睛を点じなかった二龍だけが存在したと、唐の張彦遠は『歴代名画記』に記しています。
こんな話が伝わるのは、最後の一筆である点睛が画龍の生き死にかかわるからで、「画龍点睛」はしごとの正否にかかわる最後の一点を仕上げることにいい、「画龍点睛を欠く」は、その逆を意味します。最近は車やパソコンのモデルチェンジによって一部の変更で機能が格段によくなったところを「画龍点睛」といったりします。そのパソコンでは「てんせい」とうつと「点睛」と出ますから校正の労がなくなりましたが、今でも目と日の違いに気づかず、美しい字で「点晴」と書いて「画龍点睛」といわれたりします。