- 2017年07月19日(水)
- くらし・家庭
「潜移黙化」(せんいもくか)
思想や性格などは知らず知らずのうちに影響をうけて変化するものであることを「潜移黙化」(李宝嘉『文明小史「一回」』など)といいます。よく知られる顔之推の『顔氏家訓「慕賢」』では、「潜移暗化」といっています。人は幼少のころに周りにいる親しい人の言笑挙動から無心に学んで「潜移暗化」によって自然にこれに似てくるものと説いています。むりやり詰め込んだところでよいものは身につかないというのです。
中国ではとくに大都市で私立幼稚園の入園など修学前から詰め込み教育に狂奔するトラ・ママ(虎媽)が多くいます。それに対して、子どもの将来を慮って穏やかに養育することを求めるネコ・パパ(猫爸)による「潜移黙化」の兆しがが見られるようです。
「孟母三遷」では学校近くに居を遷して「潜移黙化」により孟子を育てましたが、平和しか知らない国の子どもに、平和憲法を守るのは軍備ではなく戦禍を感じる心(八月一五日の天皇の「おことば」も)であることを「潜移黙化」により引き継ぐ必要があります。