東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年07月26日(水)
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「木雁之間」(もくがんしかん)

「木と雁の間にいる」といっても何のことやらわからない。荘子と弟子の話を聞きましょう。荘子が弟子と山中を歩いていたときのこと。よく枝葉が繁茂している良木なのに、きこりは伐るようすがない。「用いるところなし」という。悩む弟子に荘子は「不材を以って天年を得たり」といいます。求める材として不向きだったために伐られずにすんだというのです。そのあと知人のところに宿って家雁(ガチョウ)のごちそうになります。使用人が「よく鳴くのと鳴かないのがおりますが」と聞くと、主人は「鳴かないほうにしなさい」と命じます。悩む弟子に荘子は「良材と不材との間におることだよ」と答えます。
 能力が発揮できず弱者が救済されない時代には、才能を突出させずといって不要とされない中間あたりにいること、有用さが目立って成果主義に利用されて才能を涸れさせてしまわないことが人生で禍災をさけ安全をたもつ流儀だというのです。「直木先伐」「甘泉先竭」ともいいます。『荘子「山木篇」』から。
 

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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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