東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年11月08日(水)
  • -

「大巧若拙」(たいこうじゃくせつ)

『老子「四五章」』には、大(ほんものの)がつく四字熟語が列ねてあり、そのひとつがこの「大巧若拙」(大巧は拙なるがごとし)です。ほんものの「巧」というものは、自然に因って造らないために一見「拙」に見える。造れば目立つけれども、いずれは剥げ落ちてしまうもの。これも人為の実質を見透かした人の信言です。
 美術の秋。画でも書でも美が極まって完璧にすぎものは、どことなく窮屈です。形が整った完成品をめざしながら少しずらしたりする。「大巧若拙」という老子のことばを支えとして、「に寄ることで「大巧」作品を得る。茶器には「沓茶碗」として「大巧」の実物を見ることができます。といって初めから「拙」によって「大巧」を求めても拙は拙
「大巧若拙」とともに老子は「大弁若訥」(四五章、2013・7)をいいます。流暢な語りではなく、訥々とした語りのなかにほんものの弁舌を聞く。選挙戦に勝って万歳の合間に、地元民の声を訥々と紹介する議員の声を伝えた放送があったでしょうか。

 
webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>