東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年11月15日(水)
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「作繭自縛」(さくけんじばく)

 蚕が糸を吐いて繭をつくって自分を閉じ込めてしまうことから、自分がしたことで結果として自分が困難に陥ってしまうことを「作繭自縛」(茅盾『腐蝕「九月十九日」』など)といいます。自縛は自纏にもつくります。南陸游『剣南詩稿「書嘆」』には「人生如春蚕、作繭自纏裏」とあって、人生が思うに任せない例えとしています。
 蚕も家畜ですから1頭2頭と数えるのですが、養蚕研究といえば蚕の習性を知って少しでも多くの糸を吐かせて収穫を増やす工夫がなされてきました。が、最近の日中での研究は「平面繭」なのだそうです。蚕の習性を使って繭をつくらせない。その上で人為的に染料で染めた糸を吐かせたりします。蚕は約40時間休まず糸を吐きつづけて蛹になります。自縛して繭になる本来の姿を奪って芸術的絹布をつくるのですから、この成語の意味合いを失いかねません。それでもトランプ米大統領のアメリカファースト政策は「作繭自縛」と呼ばれています。こんなに大きな繭は他にないでしょう。
 
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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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