東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年11月29日(水)
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「和光同塵」(わこうどうじん)

「和光」はきわだつ光を和らげ、「同塵」は目立たない塵のように居ること。「和光同塵」は、『老子』の「道の篇」四章と「徳の篇」五六章とに繰り返して現われます。西方から仏教が採り入れられた際に、経典を訳すにあたって、仏が穢土に現れて凡夫を済度するという意味に重ねて用いられたといいます。仏教と道教が共有する哲理を示すことばです。人為を究めた東洋の哲人同士が残してくれた味わい深いことばです。 

 凾谷関で李耳が『道徳経』を書き遺した「太初宮」の裏手に、「老子道徳経」全文を刻んだ碑があって、頭から読みおろして間もなくこの温かな章句に出合います。老子は「知者不言」(五六章)といって体験を重視しましたが、人生の体験を顧みる時期になって納得されることばです。後梁時代の禅僧で太鼓腹をした布袋和尚(契此)がその表現者といわれます。会っただれもが円満な気持ちになれますが、しかし「わびさび」につらなる感性をもつこの国の凡夫にはやや違和感のある「和光同塵」です。

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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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