東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2017年12月13日(水)
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柔之勝剛(じゅうししょうごう) 

柔よく剛を制す」は日本の国技柔道の説明によく用いられます。この「柔能制剛」は兵法書『三略「上略」』からで、その基になっているのが「柔之勝剛」(『老子「七八章」』から)です。「天下に水より柔弱なるはなし」と、水のありようにその実質をみています。
 柔道創始者の嘉納治五郎は、大きく強い者に勝つため柔術をはじめたということで、老子とのつながりを言いません。門弟でのち『大漢和辞典』(大修館書店)の編者になる諸橋轍次(号止軒は『荘子「徳充符篇」』の「鑑於止水」から)が直接に「柔は剛に勝つという老子のことばがあり、後漢書に光武帝は柔道をもって之を行わんと欲すといっていますが」と聞いています。これに対して嘉納は「むかし柔(やわら)という術があり柔術ということばがあった。その柔術をもとにしたもので、術だけではない道だから柔道と名づけた」と答えています。古流柔術の伝書に老子の「柔」が散見されますが、嘉納師範の四字熟語はむしろ儒学的な「精力善用」「自他共栄」(灘高校校是にも)でした。
 
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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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