- 2018年04月11日(水)
- 歴史・文化
「一衣帯水」 (いちいたいすい)
「日中平和友好条約締結40周年」のささやかな記念として『日中友好文温の絆 四字熟語』を本稿をもとにしてまとめたい。そこになくてはならない一語がこの「一衣帯水」(『南史「陳後主紀」』から)です。一条の帯ほどの水流というので京都の鴨川ほどの帯を思い浮かべる人も多いのですが、実はこの川は対岸が霞んで見えない「長江」なのです。かつて隋の文帝楊堅が、全土統一の兵を率いて長江北岸に達したとき、「あに一衣帯水を限りて之(陳の民)を拯(すく)わざるべけんや」と臣下にいい渡河します。
海を隔てた日本と中国との交流の場で双方でよく使われます。行き来に困難は想定されるけれども展望をもって対処しようという覚悟の表現なのです。「日中両国は、一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する」(日中共同声明)のです。「いちい・たいすい」と切ると雨にでも濡れて水気を帯びた衣装を着ていることになってしまいますから、「いち・いたいすい」あるいは「いちいたい・すい」と読むこと。
海を隔てた日本と中国との交流の場で双方でよく使われます。行き来に困難は想定されるけれども展望をもって対処しようという覚悟の表現なのです。「日中両国は、一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する」(日中共同声明)のです。「いちい・たいすい」と切ると雨にでも濡れて水気を帯びた衣装を着ていることになってしまいますから、「いち・いたいすい」あるいは「いちいたい・すい」と読むこと。