東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年04月25日(水)
  • -

「滄海横流」 (そうかいおうりゅう) 

「滄海」は大海原、「横流」は水が四方に揺れ動きあふれること。「滄海横流」(『晋書「王尼伝」』など)は政情が混乱して社会が不安定に揺れ動くようすをいいます。「王尼伝」では滄海横流、処処不安と記して時局の悪化を例えています。明代に書かれた『三国演義では滄海横流英雄本色と記して、混乱ののちに曹操、劉備、孫権等の英雄を輩出したように滄海横流」のときこそ本物の英雄が現れるという意味で用いています。郭沫若も「紅江江」で同様の意味合いで詠っています。1945年の蒋介石・毛沢東による重慶談判はまさに滄海横流、英雄本色の場面だったといえるのでしょう。

 反義語は「歌舞昇平」(宋・曾鞏『元豊類藁「六」』など)で、宋代に民心の穏やかな太平の世を現出したことを伝えています。わが国の大戦後に、歌舞が世情を沸かせる「歌舞昇平」が達成された1980年代の歌謡への関心が、「滄海横流」へ傾く政情と交錯しているようです。すでに長淵剛の「とんぼ」は“政界横流”の世を予感しています。

 

 

webサイトはこちら

堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>