東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年05月09日(水)
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「急功近利」(きゅうこうきんり)

 成功を急いで利益に近づくのが「急功近利」(董仲舒『春秋繁露「巻九」』など)です。眼前の功利に動かされると失敗してしまいます。これは世の常のことですから歴代に事例を欠きませんし、よく使われる四字熟語です。「急功小利」とも。反義語は「深謀遠慮」。
「助長」の元になった「抜苗助長」(『孟子「公孫丑章句」』から 2014・2・19)は古代宋国の農夫が苗を早く成長させようと毎日引き伸ばして枯らしてしまったこと。ですから「助長」はいい意味では使いません。宋代の王安石の筆下にいた方仲永は五歳で詩を能くしましたが、ある人が親子をもてなしおカネを出して題詩を求めました。それがきっかけで郷里の人を訪ねては詩をつくった結果、十二歳のころには才を失い普通の人に。
 現代の中国でも子育てに「助長」がみられます。中国のTV漫画がアメリカや日本に追いつこうと功を急ぐあまり、「童心」を失っているとの指摘があります。また人工知能の導入には国家戦略が優先しますが、アメリカ企業の投資には「急功近利」がいわれます。
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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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