東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年08月08日(水)
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「安居楽業」 (あんきょらくぎょう) 

 安眠のできる家があり楽しんで従事できるしごとがあること。平和の国で暮らしていると当たり前に思えるこの「安居楽業」(『漢書「貨殖伝」』など)というふたつが、戦乱にあけくれた時代を生きた人びとにはどれほど得がたいことであったことか。
 途上国として平和と経済の高度成長期に遭遇して、中国に暮らす人びとは歴史的にはじめて「小康社会」「安身立命」(『景徳伝灯録「巻一〇」』)の人生を現実のものにできているようです。日本の場合は仏教の影響を受けて四字熟語としては「安心立命」ですが、中国では生活感に裏打ちされた「安身立命」が基本です。ちなみに京都の立命館大の名の由来は孟子の「修身立命」(尽心上)にあるようです。
 習近平政権は2020年までに「全民脱貧」という目標の達成をかかげましたが、米中経済摩擦の影響次第では、国民の生活上の充足感である「安居楽業」と将来への「安身立命」が確保されるかどうか、むずかしいところです。
 
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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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