東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年08月29日(水)
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「心中有数」(しんちゅうゆうすう)

 日本では「心中」といえば、「しんじゅう」と読んで、許されぬ仲の男女が死を選んでともに命を断つことをいいます。もっともたいせつな命を捧げ合う愛の表現です。相思相愛のふたりばかりでなく一家心中や無理心中もあります。捧げるものは命とかぎらずに髪(断髪)や指(切指)などの場合もあります。「心中(しんちゅう)」の証に「心中(しんじゅう)」するといった意味での用い方は中国にはないようです。

「心中有数」(馮徳英『迎春花「八章」』など)は、心の中ではその意味合いや原因を了解していて解消への糸口は得ているものの、それをことばにしたり表示したりできていない状態をいいます。『荘子「天道」』には、「心に応ずれど口言う能わず、有数はその間に存り」と説かれています。前出の「胸有成竹」(2013911や「知己知彼」や「百無一失」などが横合いにあって説明してくれます。「心中無数」もあって、こちらは博学すぎて心の中にあまりにさまざまありすぎて分別収拾がつかない状態をいいます。
 

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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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