東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年10月17日(水)
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「金玉不琢」(きんぎょくふたく)

 まことの玉(金玉)は琢磨する必要がなく、まことの珠(美珠)も色彩で修飾する必要がないというのが「金玉不琢、美珠不画」(桓寛『塩鉄論「珠路」』から)です。『淮南子「説林訓」』では「白玉不琢、美珠不文」ともいっています。ふつうはことわざにあるように「玉磨かざれば光なし」であって、すでに『礼記「学記」』に「玉不琢不成器、人不学不知道」がいわれて、人びとは社会の要請に応えて有用な器になるために、道を知るために努めてきました。三字経にも「玉不琢、不成器」が挿入されています。
 それはそれとして、人生にもっとも大切なことは、内在する自からの質朴さを失わないこと。それを活かして自己実現をはかることです。琢磨したつもりが自在性を失い、精細に学んだつもりが朴実さを失うなら、そんな要請は避けるのが「金玉不琢」の人生といえるでしょう。皇帝の呼び出しにも応じなかった李白が詩心を失わず、五柳先生(陶淵明)が常に栄利を離れて暮らして晏如とした人生を得たようにです。

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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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