- 2018年11月21日(水)
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「遮天蔽日」(しゃてんへいじつ)
広々とした天空に太陽が明るく輝いているところに、それを遮蔽する自然現象が起こり人間の営為が展開されることを「遮天蔽日」(『水滸伝「八三回」』など)といいます。
自然現象としては、エトナ火山やキラウエア火山などの噴火では天高く噴煙がのぼり、マダガスカルでは異常気象でイナゴが大発生して空を蔽いつくすという情景も現出しています。なかには楊朔の『香山紅葉』に描かれる古松古柏の山路や「前人栽樹」によって繁茂する古樹の下で涼をとるといった穏やかな「遮天蔽日」もありますが。
人為的な「遮天蔽日」では、『水滸伝』では遼兵の襲来ですが、現代の北京のスモッグ、ロシア戦勝記念日のモスクワ上空の編隊飛行などが存在感を示しています。日本社会では権勢が天下を蔽って世の中に欺瞞を生み、経営破綻、株の下落、大災害、領土問題、事故・事件・・社会不安がつのる兆候をみせています。「遮天」が国際協調の暗雲をいい「蔽日」が日本を蔽うと読めば、将来を警告する「四字熟語」といえます。