東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2018年12月05日(水)
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「知者不言」(ちしゃふげん)

「知者不言、言者不知」(知る者は言わず、言う者は知らず。『老子「五六章」』)は知者である老子が残した信言です。真意を理解している者が言わず、言う者の論旨は時代の要請から遠くズレている。老子はそれを知る者として言わずに、衰亡の淵にある周都洛陽を離れて隠遁の旅に出ます。函谷関の関令尹喜に懇請されて残した『道徳経(老子)』の最終章には「信言は美ならず、美言は信ならず」(2014・2・26)と記して。
 唐の詩人白居易は、「知者であり黙するのなら、なんで五千文字もの著を残したのか」(『読老子「五章」』)といい、老君(老子)は自らを知者としていないという見方。「わたしは知者ではない。そう言うあなたと同じだ」という老子の声が聞こえます。
 世紀初めのこの国の政界に世代交代の嵐が吹き荒れました。その後に国会に呼集されたチルドレンやガールズによる議論は時代の要請の深みに届かないレベルに終始していると「知る者」は言わず、「言う者」は知らずに衰亡の淵に近づいていきます。
 

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堀内正範氏

日本丈人の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈人の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈人の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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