- 2013年03月27日(水)
- 歴史・文化
「好好先生」(こうこうせんせい)
ここは中国音で「好好(ハオハオ)先生」と読むことにします。「好好先生」と称された司馬徽(後漢末の隠士・水鏡)は、人の長所はもちろんのこと短所にも、善にも悪にも、美にも醜にもどちらにも「好(ハオ)」と応えていました。「不好(プーハオ・よくない)」を「好(ハオ)」といって伝えることができるニュアンスを兼ね備えていたからでしょう。無類の善人です。のちの時代にも司馬徽を超える「大好(ダーハオ)先生」はいないようです。(劉義慶『世説新語「言語」』など)
わが子の死を悲しんで伝える人にさえ「大好(ダーハオ)」と応えて納得されたのですが、さすがに妻が聞きとがめてたしなめたところ、徽はすかさず、「あなたの言うことは大好(ダーハオ)です」と妻を誉めたといいます。
日本語でなら「あ、そう」でしょうか。昭和天皇はお優しい「あ、そう」によってすべてのニュアンスを伝えていましたから「好好天皇」といえるのでしょう。