東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「好好先生」(こうこうせんせい)

 ここは中国音で「好好(ハオハオ)先生」と読むことにします。「好好先生」と称された司馬徽(後漢末の隠士・水鏡)は、人の長所はもちろんのこと短所にも、善にも悪にも、美にも醜にもどちらにも「好(ハオ)」と応えていました。「不好(プーハオ・よくない)」を「好(ハオ)」といって伝えることができるニュアンスを兼ね備えていたからでしょう。無類の善人です。のちの時代にも司馬徽を超える「大好(ダーハオ)先生」はいないようです。(劉義慶『世説新語「言語」』など)

わが子の死を悲しんで伝える人にさえ「大好(ダーハオ)」と応えて納得されたのですが、さすがに妻が聞きとがめてたしなめたところ、徽はすかさず、「あなたの言うことは大好(ダーハオ)です」と妻を誉めたといいます。

 日本語でなら「あ、そう」でしょうか。昭和天皇はお優しい「あ、そう」によってすべてのニュアンスを伝えていましたから「好好天皇」といえるのでしょう。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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