東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年02月20日(水)
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「遊手好閑」(ゆうしゅこうかん)

 近ごろのテレビ番組にお笑いや料理・食べ歩きが多いことに気づきます。手を遊ばせて生産的なしごとから離れて安逸にすごすことが「遊手好閑」(『紅楼夢「六五回」』など)です。用いるのは口ばかり。口の用はしゃべることとたべること。それを見て一日を「遊手好閑」にすごすのは褒めたことではないようです、年季のはいった技術を巧みに使いこなす器用な人をいう「手八丁」は褒めことばで、「口八丁手八丁」となるとけなしの意味合いが強まるのですが、ここから先のことわざ探索は本項の手に余ります。
 原稿を見ながら手を休(閑)めずに鉛字を拾う「検字」(植字)は、停電でも「盲検」ができる神業として最高の「手芸」であり、「手芸人」として尊敬を受けてきました。が、電脳(コンピューター)の出現で一夜にして鉛字が廃れてしまい、「用武之地」を失った技術者は少年でもできる電脳検字に関われず、複雑な思いで「遊手好閑」の日々を受け入れています。あれこれと労苦して身につける「手芸」の伝承が失われていきます。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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