東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年04月10日(水)
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「令月嘉辰」(れいげつかしん)

 新元号「令和」が大化(645年)から248番目で初めて国書『万葉集』からとし、令(よ)き大和民族の特性「国風」の誇りにつなげた首相発言に対して、日中双方から漢字文化圏の豊かさを削ぐべきでないとする意見が出ています。外来の優れたものを採り入れてより勝れたものにする特性「和風」をいえれば令姿を示せたでしょう。
 江戸期の契冲『万葉代匠記』には『梅花歌三十二首并序」』は王羲之「蘭亭集序」の筆法を模したもの、「初春令月、気淑風和」の八字は張衡「帰田賦」の「仲春令月、時和気清」から、「気淑」は杜審言の詩から、「鏡前之粉」は宋武帝女寿陽公主の梅花粧から、「松掛羅而傾蓋」は隋煬帝の詩に負うなどの指摘がされています。それらを借りて「和風」にするのが民族特性といえるもの。「令月」にちなむ四字熟語には「令月嘉辰」(『大慈恩寺三蔵法師伝「巻九」』など)があって令月はいい月、嘉辰はいい日であわせて「吉日」をいいます。『和漢朗詠集「巻下・祝」』に「嘉辰令月歓無極」が見えます。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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