東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

「著作等身」(ちょさくとうしん)

 著作が作者の身長に等しくなるほどに多いことを「著作等身」(趙岱「陶庵夢憶序」など)あるいは「著述等身」といいます。竹簡に手書きしていた時代は「汗牛充棟」や「学富五車」でしたが、紙に記される時代になって「等身」が多作であることの形容に用いられました。

宋代には蔵書や読書量が多いことで「等身書」(読書等身)がいわれ、その後に「著作等身」が用いられたようです。印刷時代の「等身書」は4000万字といいますから等身高は稀れのうち。「他人が珈琲を飲んでいる時も書いていた」と記す魯迅でも1100万字といいますから「著作半身」にも及ばないようです。

 さて、IT革命の後には多作の人をどう表現するのかわかりませんが、それでも「著作等身」は、分量よりは著作態度が等身大であること、率直な自己表現によって共感を得るといった意味合いで実感をもって残ることでしょう。

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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