- 2019年05月01日(水)
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「春蘭秋菊」(しゅんらんしゅうぎく)
「平成」から「令和」への改元。青少年(〜30成長期)や中年(〜60成熟期)のみなさんは勢いづくでしょうが、4人にひとりの「高年世代(65〜円熟期)」の人びとは、このままいまある社会で身を細めて過ごすのでしょうか。このたびの明仁天皇の生前退位は、政府の「ゴムひも伸ばし」の政策に「ノー」をいわれて、みずからの高齢期人生を確保されたもの。本稿は上皇としての期間を「令和(後平成)」期と呼び、「高年世代」が「自立」をすすめて存在感を示す「三世代平等化」のチャンスとして期待しています。
「退位礼正殿の儀」(4月30日)を終えた明仁天皇のおことばは、象徴としてのつとめを「国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは幸せでした」であり、「即位後朝見の儀」(5月1日)での徳仁新天皇のおことばは、上皇に学び「自己の研讃に励むとともに常に国民を思い国民に寄り添う」でした。円熟期の上皇と成熟期の新天皇にはそれぞれに人生の春秋があります。「春蘭秋菊」(『楚辞「九歌・礼魂」』など)なのです。