東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年05月08日(水)
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「凡桃俗李」(ぼんとうぞくり)

 大地が温もった春に咲き、妍を争いあう桃や李の姿(李白桃紅)を、凡であり俗とみる「凡桃俗李」(王冕「題墨梅図」から)がいわれます。そこから俗人のすることや平凡な事物や実績のない政治にもいわれます。元末の画家王冕(字は元章)の「凡桃俗李争芬芳、只有老梅心自常」が出典。氷雪の林中で一夜清らかな香りを発する白梅に出合った画家が、苦学した姿を思い桃李を凡俗とみる立場には納得がいきます。
 王冕が苦学するようすが小学生の教科書に「少年王冕」として載っています。貧農の子だった彼は、地主の牛の面倒をみながら村の学堂へいき、朗々と読み上げられる文章を記憶します。あるとき牛を忘れて帰って父に叩かれ、家を脱したかれは寺院にいき、仏像の膝に坐って灯明のあかりで借りてきた破れた本を読みました。結局、科挙には通らず、各地を放浪して絵を画いてすごしました。王冕の画は日本にも伝わり、信長の父織田信秀が所蔵していた「墨梅図」が宮内庁三の丸尚蔵館に保存されています。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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