東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年05月15日(水)
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「江郎才尽」(こうろうさいじん)

 身近なスマホでも車でも、かつてナンバーワンといわれたものが衰退していく「江郎才尽」の感覚は、だれにもわかるのでよく使われます。
 江郎は江淹(字は文通、444〜505)のこと。南朝の宋、斉、粱の三代に仕えた文学者で、若いころは才気あふれる詩文を表して高い評価を得ていましたが、官をのぼり年をとるにつれて文思衰退して佳句を欠き趣きを失い、ついには枯渇して並みの詩文しか書けなくなって「江郎才尽」(『南史「江淹伝」』から)といわれました。いまなら認知症といわれるような病変によって起こる文思衰退を「江郎才尽」と名づけられて、当人としてそれを知って耐えていた江郎自身の悲哀の深さがこのことばを残しているのでしょう。
 もの書きばかりでなく、歌手にも、名作の映画化にもいわれ、テレビに出づっぱりのタレントに実例をみかけます。また文才ばかりでなく、サッカーの花形選手にも、ブランド製品の劣化や国際モーターショーでの日本車が「江郎才尽」と評されたりもします。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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