東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年06月05日(水)
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「銀海生花」(ぎんかいせいか)

「銀海生花」(蘇軾「雪后書北台壁 其の二」から)というのは、反射的な光線を浴びた時に眼にみえる花のことですから、だれでも経験していながら意識していない“わたしだけの花”のようです。「銀海」というのは唐代の道教の僧医であった孫真人の著『銀海精微』が眼科にかんする古典として知られて、いまでも眼科医むけの情報誌『銀海』が出ていますし、眼鏡の専門家を養成する日本眼鏡技術専門学校は銀海学園の経営ですから、「銀海」は眼あるいは眼科の意味合いで用いられている古語のようです。
 宋の蘇軾の詩は「凍合玉楼寒起粟、光揺銀海眩生花」というもので、王安石も「道書には肩を玉楼となし目を銀海となす」と解説していますからリアルには肩や眼をいうのでしょうが、「銀海生花」を詠った蘇軾には玉楼も銀海も花もそれとして見えていたはず。ぎんぎんぎらぎらと夕日が沈む日本海でつかの間の「銀海生花」に出合った人もあるでしょう。「眼花繚乱」で色に目まどうではなく、“わたしの花”をみてほしいのです。
 
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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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