- 2019年07月03日(水)
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「大腹便便」(だいふくべんべん)
便便は肥大しているようすで、「大腹便便」は下腹の出た中年男性をいいます。後漢時代の辺韶(孝先)という師に対する弟子たちの揶揄「辺孝先、腹便便」(『後漢書「辺韶伝」』)からのようです。辺韶は、腹には五経がつまっており、よく睡るのは孔子のように夢で周公に会って腹中の経論を談じているからだと切り返しています。後に大がつきました。「大腹便便」の商賈といえば豊かさの表象です。安定期の唐代のでっぷり玄宗にぽっちゃり美人の楊貴妃(60キロ+)はダイエット時代には現われないでしょう。
かつてサッカーファンを沸かせた有名選手が引退後に呑みすぎ食いすぎで「大腹便便」の中年男にといった個人の例ならまだしも、戦闘力を期待される軍人の「大腹便便」が指摘されています。アフガン戦線でビールを呑まなきゃいられなかったドイツ軍兵士。機械化で任務に支障がないとはいえ訓練を避ける軍人の増大は米軍でも問題になっています。「大腹便便」の軍人や警察官は戦闘のない平和の証なのですが。