東京都新宿区の校正・校閲会社、円水社(えんすいしゃ)のブログ

  • 2019年08月07日(水)
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「寥若晨星」(りょうじゃくしんせい)

 東の空が明るんで暁の光が射すころになると、天空にあって数えることができないほど輝いていた星が消えていきます。新しい朝を迎えて最後まで輝いている星が「晨星」です。あけの明星(金星・啓明星)を最後にして。親しい友人や人材が次第に減っていくようすが「寥若晨星」(孫文『建国方略「二」』など)です。「寥落晨星」「落落晨星」とも。
 魯迅も『書信集「致山本初枝」』に、上海の内山書店で「談論できる人が晨星のように少なくなって(寥若晨星)、寂寞の感」と記しています。数が少なくなった意味合いで用いていますが、「晨星」はそれゆえ「鳳毛麟角」に比べられるかけがえのない人びとなのです。鳳凰の羽毛と麒麟の角はどちらも貴重で希少なものにいわれます。
「人生100年」時代にいくつから「晨星」と呼べるかわかりませんが、戦禍から立ち上がって史上希な70年余の「平和と平等」の社会を創った先人の訃を聞くたびに、次世代にメッセージを送りつづけた「晨星」がまたひとつ失われる寂寥を感じるのです。
 

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堀内正範氏

日本丈風の会 代表
Web月刊「丈風」編集人

当社が永く校正で携わった、『知恵蔵』(朝日新聞社)の元編集長、朝日新聞社社友。
現在は「日本長寿社会」を推進する「日本丈風の会」を主宰し、アクティブ・シニアを応援している。 中国研究を基にした四字熟語への造詣も深く、時事を切り口に、新聞や書籍において解説を行なっている。
日本丈風の会ホームページにて、「現代シニア用語事典」も掲載。

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